工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

苦い話 〈copyright〉(著作権)の無視

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苦い話、もう聴きたくも無いでしょうし、私自身、話したくもない、というのが正直なところ。
しかしWebやBlog運用では欠かせない基本事項に関わる事じゃ、等閑視(スルー)もできないよ。泣;
もう1本だけ、上げさせていただきます。

〈copyright〉の無視、とタイトルしましたが、最近、このBlogからの画像盗用という事案が発覚し、いささか滅入りました(発覚したのは最近のことですが、盗用されたのは3年ほど昔のことだったようです)。

copyright、つまり著作権を無視され、このBlogの画像がパクられ、盗用者のBlogに何らの断り書きも無く貼り付けられていたというわけです。

パクられるうちが花よ、と苛立つことなく、長閑に構えるのも一興ですがね。ハハハ。

このBlog、Web上の木工の世界で、どれだけ読者を獲得し、影響を与えているかは知りませんが、これまでこうした盗用は気づくことも無く推移してきましたので、たいして影響など無いんだろうな、と高を括っていたわけですが、今回の事案で、ちっとは見てもらえているんだなと半ば嬉しくも(へへへ)。

ま、しかし、このBlogも〈copyright〉を宣言していることもあり(このページ、最下段欄外の表記、および,メニュー[about me]内〈リンク、著作権について〉での記述)、違法な物は違法ですので、放置しておくのも、何やら違法を奨めるようで、やな感じじゃないですか。

そこで、この盗用した相手さんと数回のやりとりを経、謝罪、および、今後一切こうしたことはしないとの文言を出していただき、了としたところです。

こうした(一定の)結果を見たことで、本人の名誉を傷つけるのは本意では無いこともあり、詳細な記述は避けますが、メール対話での過程で感じ取られた盗用者の意識、つまり、DLとコピー、さらにはレタッチしての貼り付け、という一連の経緯に見られる罪の意識の希薄さについては、もしかして同様の思考が一般にはびこっている可能性があるかも知れず、こうした投稿で注意を喚起しておくのも意味があるだろうと思い立ち、重いペンをとったという次第。


ところで、あらかじめ申し上げておきますが、私のBlogなど取るに足らないものでしか無いことはこの際認めておきます。
そのほとんどの記事はつまらない雑文です。
100のうち、1つでもまともなものがあれば良い方でしょうか。
(そんな記事を読んで頂ける読者には、本当に感謝に堪えないわけです)

ただ、Webの片隅でつぶやいているBlogであるとはいえ、その著作権を侵し、盗用して良いものでは無いわけですね。
それが世の中(社会通念)というもの。
近代社会の市民に共通に課せられた(課せられた、というのはあまりよい表現じゃ無いな。市民共通の意志、とでも言った方が良いかも)、法の下での振る舞いの在り様というわけです。

例え100のうち99の記事がつまらないからといって、それらを貶めてしまいますと、大事な残り1つをも守れなくなるわけですね。

お互いの生き方を尊重し、オリジナルな著作物に敬意をもって接する。
そうした考えによって、文化的なものが保護され、発展し、より豊かで、生きやすい社会へと向かって行くと思うのですね。

All rights reserved、copyright ©

というわけで、〈copyright〉について少し話していこうと思います。
なお、この記事は〈copyright〉を遵守されておられる、ほとんど全ての方は、読まなくても良いです。
〈copyright〉を無視される、ほんの一部の人への注意喚起ですからね。
こんなことしちゃ、バレちゃうぞ、というサンプルのようなものと言えば良いかな。

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前置きが長くなりましたが、ではいきます。

このBlogの最下段、欄外には〈All contents copyright © 工房通信 悠悠. All rights reserved. 〉と記してあります。
こうした記述は、著作物一般に見られる著作権の保護下にあることを宣言するものです。

これはごくありふれた、極めて一般的なものであり、社会通念となり、Web上でのあらゆるページ、コンテンツは、そうした概念下にあるものと見なされているわけです。
なお、例えこの〈copyright〉の記述が無くても、勝手に盗用して良いというものではありませんね。
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電動工具レビューの記事

今回盗用されたのは、ある電動工具のレビュー記事に貼り付けたオリジナルな画像でした。
その海外メーカー電動工具への評価を確かなものとする、ある種の決定的な画像でもあったためか、今回確認したところ、件のBlog外にも他の複数のBlogなどに引用されていたようです。

例え私のBlogの読者では無くとも、関心のあるキーワードでググれば、WordPressでのBlogという要素も手伝い、Google検索、上位にランキングされやすいこともあり、当Blogがヒットすることは少なく無いかも知れないのですね。

そして、これが有用な記事と見なされれば、二次、三次と拡散されていくのでしょう。

私としても、それは望むところです。

記事を引用された、ほとんど全てのBlogでは、このBlog名を明記しての引用をしていますが、件のWebサイトでは画像のみが貼り付けられ、出典元の記述が全くありませんでした。

今回の盗用に関しては、メールやりとりから伺える内容からも、さほど悪意のあるものでは無いと思われ、過剰に言い募ることはせず、著作権というものの認識を改めさせていただき、今後そうしたことはせぬよう戒める、という考えの下、数回のメールのやり取りを行いました。

ただ、この画像を含む私の記事が、その工具の購入に結びつく契機となったばかりか、複数台の購入へと繋がるといった、〈商用行為の疑い〉もあったのですが、しかしさほどの金額でも無いでしょうから、それは問いませんでした。

むしろ問題であると感じ、考え直していただかねば困るなと思ったのが、罪の意識の希薄さでした。

これは盗用した時点でのことに留まらず、今回の発覚後の指摘に対する反応においても、なお気付きの弱さに表れていたからです。
「この程度、問題無いと考え、気軽にやってしまった」ということのようでした。


こうした「あっけらからん」とした盗用は、罪の意識が希薄なだけに、考えてみればより質が悪いとも言えるのですがね。

画像をDLし、コピーし、あるいはレタッチを加え、自身のBlogに貼り付ける。
DL、コピーはコンピューター上では、1クリックでできてしまう動作であるためか、無自覚な動作になりがちで、罪の意識など覚えない、というわけです。

また、何を根拠に言っているのか分かりませんが「工房 悠はこの程度、問題にしないだろう」との考えを吐露してきたのですが、著作権とは、本人に悪意があろうが無かろうが、相手がどの程度ならコピーして良いと考えるか、などとは無関係に、盗用は違法なのです。

一方、対象となった記事を引用した他のBlogが出典元の「工房 悠」を記したのは、〈copyright〉への遵守であるとともに、相手へのリスペクトを含んだもの考えられるわけです。
例えそのことを直裁に記さずとも、その記述スタイルから読み取ることができるものと言って良いでしょう。

違法であるということの中には、当たり前ですが、元記事へのこうしたリスペクト、敬意が無いことを示しているわけで、私自身もそのことを重視したいと考えました。

この後に工房 悠の〈copyright〉に関する考え方を述べますが、Blog世界においても、相手への敬意を持って接することで、記述は生きてきますし、木工の世界もより豊かになっていくだろうと考えています。
逆に、今回のようなパクリが横行するような独善的な世界は、より良い発展を阻むものにもなりかねませんね。

これは私のBlogを広めてもらいたい、などといったチンケな考えで言っているのでは無く、木工界における良い繋がり、技術の総体としてのレベルアップ、良いモノ作りの普及、緩やかでも、切磋琢磨するネットワークの拡がりと強化。それらを目指すため、関係者相互のリスペクトを大事にしようという、あたりまえの立場からの事柄であり、要求なのです。

そうした相互のリスペクト、敬意の姿勢が無いところで、独善的な振る舞いをされますと、やがては自らを貶め、ひいては木工界を荒んだものへと疲弊させることに繋がるわけですので、ぜひ自覚的に振る舞って欲しいと思いますね。

画像コピーの罪深さ

今回は画像の盗用であったわけですが、この画像について少し詳しく考えていきます。

画像1枚とは言え、写真撮影での適切なアングル、そして照明のセッティング、アングルのセットなど、そのノウハウと準備に要する時間、その間の知的活動は盗用される方が思うほどには安易では無いでしょう。

私の撮影はしょせん素人の撮影技術の範囲でしかなく、また機材もアマチュアレベルのものでしかありませんが、良いモノを届けようと、それなりに努力しているわけですよ。

照明1つ取ってみても、ほとんどの場合、カメラ内蔵のストロボを使うというのでは無く、光学スレーブでの2灯ライティング[1] を基本とするなど、時間と手間を掛けています。

撮影後、レタッチ作業(編集作業)に入るわけですが、盗用されたものとレタッチ作業が似た、他の1枚の画像(下の画像)を例に取り、簡単にそのプロセスを示してみましょうか。(あぁ、つまらない内容を書き連ねますので、スルーして頂いて結構です)

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1枚の画像作成プロセス(事例)

  1. まず基本となる画像のレタッチ
    1. 彩度、明度を適正化させ、コントラストが取れていなければ、これを修正させます
      • ここではシステナーの内部のDominoが真っ黒であったため、まずこの内部を選択します
      • 次ぎにこの選択した部分の明度を確保するわけですが、その前に、選択した部分の輪郭がシャープでは、いかにもレタッチした感じが残りますので、この輪郭をぼかします
        そうしたプロセスを経て、明度を確保させます
    2. 次ぎにアングルを整えたり、形状を整えたり、角度を変えたり、最も適切な配置にします
    3. その後、全体の明度、彩度、など必要に応じたレタッチを施し、トリミングします
    4. 最後に、リサイズしたことで、メリハリが失われますので、少しパンチを効かすために、シャープマスクを掛けます(画像a)
  2. 次ぎに文字を作ります
    1. 背景が透明な同じサイズのファイルを作り、ここに文字を置いていきますが、マスクツールを用い、1pxの輪郭と、文字そのもの、それぞれ別のレイヤーを造り、それぞれに色を塗ります
    2. そして文字が浮かび上がるような効果を考え、周囲に影を置きますが、これもテクニックが求められます
    3. さらに、そのまま元の画像に貼り付けても視認性が悪くなりますので、文字を引き立たせるような背景の枠を作ります(画像b)
    4. 新たな別の透明ファイルを用意します
    5. ここにグレーを塗り、文字サイズより一回り大きな枠を作り、これを選択し、
      周囲をボカシ、
      選択を反転させ(必要な部分以外が選択される)
      削除します(背景が透明で、周囲がボカされたグレー色の枠が残る)(画像c)
  3. このa、b、c、3枚のレイヤーを、全体のバランスを考え、透明度を適切にコントロールし、配置し、重ねます
  4. 最後にWeb適正化させ、これでやっとweb投稿ページに貼り付けられます

たった1枚の画像とは言え、こうした編集、すなわち知的活動の成果であるわけです。
(なお、これは、私独自の方法かも知れず、もっと簡単な作成方法はあるかも知れません)

しかも、今回の場合、盗用された画像に、レタッチが加わっていたのでした。
つまり、一部改変されていたのです。

こうした行為は著作権上「著作者人格権侵害」ということで、より悪質と見なされる行為にあたります。

私もWebを扱うためにこそ、こうしたグラフィック、画像処理をゼロから独学修得してきました。
それはBlogというものが公に発されるものである以上、Webにおけるグラフィック取り扱いの基本水準をクリアしたものでなければいかんだろう、という畏れ、からのもの。

Blogなんて、ただのゴミ捨て場、便所の落書き、とする警句もあながち的外れでは無いのが実態ですので、そこを越え出ようという、虚しい抗いかも知れませんが、それを続けるのがブロガーというものです。

そうして、Webサイト設置から13年、Blog開始から10年という蓄積が、今のWeb投稿における成果としてあるのですね。

それを無断で、ワンクリックでデスクトップにダウンロードし、コピーされてしまうというのは、盗用者の思いを大きく超え、腹立たしいものがあることは、なかなか理解されないことかもしれませんね。(ゲンナリ・・・)

工房 悠の〈copyright〉ポリシー

この際ですので、あらてめて〈copyright〉に関する当Blogのポリシーを掲げておきましょう。
〈copyright〉を遵守されていらっしゃる、ほとんどの方は視なくても良いですよ。

  • このBlogの記事を引用されるのは、何ら問題ありません。大いに歓迎します。
  • ただ、このBlogの記事、画像、図版などすべては著作権に保護されており、無断でのコピーはできません。
    • 引用する場合は出典元である「工房 悠」を明記してください。
    • また、このBlogの対象記事のURLを添付されるのは、なお結構でしょう。
      引用されたことについての、特段の報告は求めません。
      勝手にやっていただいて結構です。
    • もちろん、コメントなどでご挨拶いただければ、嬉しいですね。
  • 〈copyright〉による引用などは、より有機的な繋がりへと発展し、相互に周囲からの信頼が拡がって行く契機にもなります。
    (Google検索ランキングのアルゴリズムは、とても複雑、かつ定常的なものでは無いようですが、相互に繋がっていることで、より信頼性の高いWebサイト、Blogであると評価されることは確かなようです)

 ・・・少し長くなりますので、残りは次回に回します。

次回は、この盗用者はかなりキャリアもある、専門的な木工をされていらっしゃる方のようですが、しかしその立場はアマチュアのようであり、そのことと、今回の盗用の関係について考えていく予定です。

《関連すると思われる記事》

♦ 脚注
  1. カメラに取り付けたストロボでの照明は、真正面、一方向からの光であるために、撮影結果は平板なものになってしまいます。(写真は光と影が織りなす芸術)
    これに対し、カメラとは異なる角度から照射させることで印影のある撮影が可能となります。
    〈光学スレーブでの2灯ライティング〉とは、外付けのストロボを任意の場所に置き、カメラ内蔵のストロボ発光を受光し、同期発光させるワイヤレスでの2灯ライティングのことです。
    それぞれの発光量をコントロールするなどで、意図したライティングを得ることが可能となります。 []
                   
    
  • 極めて重要な話柄ですが、ボンクラ煮は恐ろしさが伝わりません。
    A. 盗用事案エピソード顛末   B.知的財産権の心外と法的怖さ(逮捕・損害賠償、社会敵名誉失職、商標や品質表示関連法規は勾留される場合もあり) C. どうするサゼッション  D. 画像制作の怪説 
    4部に分けていただけると、後に続くものが皆助かります。創作錯家が盗用すると捜索され、おしまい。
    「偽物がでるようになると本物」という世界の蒸識 は危険、「マネモク」は詩語になりましたが。

    • ネット上での発信は、今では何でもアリの状況を呈していて、IT技術の飛躍的進化を背景に、安易に発信できるツールを持ったため、神の如くに全能感を発揮し振る舞う人が多く、無法地帯化している実態もありますね。

      ABEさんご指摘のように、今回の件に関しても、整序建て、エントリすべきかも知れません。
      そうした作業は私の手に余ることもあり、腰は重いですが、いずれにしても、これを奇貨とし、〈copyright〉遵守の大切さを広く伝えていきたいものです。

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