工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

6万人の怒りの声・都心にこだまする(9.19 さようなら原発)

60,000人ではち切れんばかりの明治公園

60,000人の参加で、はち切れんばかりの明治公園

いやぁ、昨日の明治公園における「9・19 さようなら原発」集会、デモの参加者の皆さん、ホントにお疲れさまでした。

立錐の余地が無い、との言葉があるけれど、単なる形容の表現では無く、まさに字義通りに‥‥。
だって、事実、公園に入ろうにも、入れない人も続出しちゃっていたからね。
「さようなら原発」を願う夥しい人、人、人、の渦、濃密な解放区。

その人いきれ、暑さ、携帯ラウドスピーカーからの大音量、鐘や太鼓の鳴り物の大音響、バッテリーをキャリアに積んでのギター演奏、至る所で繰り広げられる踊りなどのパフォーマンス、上空からはたくさんのメディアのものと思われるヘリコプターの旋回音。
そしてメインステージからはこれをかいくぐるように著名文学者、評論家、役者、福島のお母さん、ドイツからの環境NGOらによる熱い感動的なメッセージ。

開会挨拶の鎌田慧氏からは当初4万人を超えたとの報告があったが、1時間近い集会の途中、6万人にまで膨れあがったとの報告が。

実はこの時点でも最寄りの駅(JR千駄ヶ谷、地下鉄外苑前など)では余りの混雑で外に出るに出られずにいる参加者もいたらしく(ホームから、階段から余りの混雑で出られず、結局、駅を1つ戻って、そこから歩いてきたというピーター・バラカンさんのお話しも)
結局、都内でも有数のキャパシティーを持つ、この大きな明治公園に入れない人も大勢。(関連Blog

ボクは5万人と銘打ったからには3万人は集めないと格好付かないな、と思ってはいたが、主催者の期待を大きく超え、あるいは参加者の願いを超えて、国内の市民集会としては空前規模の参加者数を数えた。

何せ、会場を出てデモに出発するまでも2時間近くも立ちんぼで待たされるという異常さ。
こんなデモ規制なんて前代未聞。
ホントにこれには呆れ果て、疲れました。
これは、警察当局の徹底した通過車両優先、デモ規模の視覚的な矮小化策といった過剰警備によるもの。
青山通り4〜6車線のうち、わずかに1車線のみの使用許可とし、集団を徹底して分断させる警備策。

欧州ではフランスデモ(道一杯に拡がりアピールできる)が当たり前で、この市民に与えられた権利が日本では奪われて久しい。
実は60年代〜70年代初頭までは、一部でこうしたフランスデモは可能だった。
その後40年の月日が経ち、デモができない社会へと日本は劣化の一途を辿ってしまっていた。

しかしこうして昨日、6万人を集め、「さようなら原発」を訴えることができたことの意味は決して侮れるものでは無いはず。

ボクらの世代にとってはこうした光景は珍しくも無い規模の街頭行動だが、若い方々にとっては初めての経験のはず。こうした形での運動の継承というのも、複雑な思いだ。
しかし、このように複数の政党、労組、様々な平和・反核運動、いろんな反差別、環境問題などの市民運動、そしてこのフクシマをめぐる、まったく新たな市民運動が1つとなって肩を組み、一堂に会するといったスタイルというものは、かつてなかったこと。
‥‥ それほどまでにフクシマをめぐる問題が深刻であり、全ての生きとし生けるものの共通の課題であるかの反証だろう。

フクシマが日本一国の問題に留まらず、世界的拡がりを持ったクライシスとして進行している中、こうしてやっと日本でもこの程度の規模の異議申し立てができたことで面目を保ったというところか。
ドイツ、イタリアでは3.11後、20万人規模のデモが繰り広げられたことからすれば、発生源の国でありながら、その足下にも及ばないまでも、日本という民主主義においての特異な歴史的経緯と現実を考えれば、特記すべきエポックであったことは素直に喜んで良いと思う。

呼びかけ人からのメッセージは一部聞き取れないところもあったので、あらためてYouTubeでチェック。
内橋克人さんの「新たな安全神話、安全神話の改訂版の台頭」への懸念は共にしたいと思う。
政府、推進派による新たな装いを凝らした延命策への罪深さを考えたい。

そしてフクシマをめぐる問題は、大江健三郎さんの語るように日本の民主主義が試されているということ。
経済より、何より、まずもって輝かしい命をこそ守るという基本に立ち返ること。

落合恵子さんからは、つい涙腺を緩ませてしまうパッション(激情)があったし、3.11後、体調を崩し(元々心臓病を抱える)入院していたという澤地久枝さんの女性たちへの強いエールは苦難を強いられている福島のお母さんたちへの心強いエールとなったはず。
山本太郎さんの職を賭した東電、政府批判はあくまでも鋭く若者に訴える。

なお、この「さようなら原発 1000万人アクション」の1000万人とは「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名」を1000万人集めようというもの。
主催者からは昨日の時点で、約100万人の署名が集まった、ということなので、来年3月まで残り900万人集めねばならないということ。

Link先ページ・コメント欄にあるように、海外からもぜひ署名を集めたいとの書き込み多し。
世界的なこの盛り上がりに、このBlog読者もぜひ応じていただき、周囲の方々の署名を願いたい。
一人ひとりの意志、願いが必要です。

そうしたうねりというものが不可能を可能にしてしていく力になります。

署名詳細はこちらから(署名用紙はダウンロードで取得)

福島からも大勢の参加者

福島からも大勢の参加者


集会終了2時間後にやっと公園からパレードに移る

集会終了2時間後にやっと公園からパレードに移る


外苑前へと延々と続くデモの流れ(後ろの赤いビルは日本青年館)

外苑前へと延々と続くデモの流れ(後ろの赤いビルは日本青年館)


Aコース、デモ最終地・代々木公園に辿り着いたのは7時近く

Aコース、デモ最終地・代々木公園に辿り着いたのは7時近く

*参照
asahi.com
毎日.jp
AFP BBNews
地球座
Le Monde
さようなら原発集会・デモ 報道リンク

*関連動画
呼びかけ人らのメッセージ
Ourplanet TV(デモ集団の中から多くの著名人のインタビューが見られる)
1000万人アクション公式サイト動画

《関連すると思われる記事》

                   
    

You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed.