工房通信 悠悠: 木工家具職人の現場から

ウォールナットのサイドテーブル 完成形

ブラックウォールナットのサイドテーブル
ブラックウォールナットのサイドテーブル

その後、課題だった改修も他の業務に煩わされ遅延していましたが、何とか仕上げました。

支柱の傾斜角は6度から2度に改修
新たに作り直しです。

支柱の傾斜を2度に直したわけですが、支柱そのものも外側を2度のテーパーでシェイプしていますので、外側は実質4度の傾斜に。
まぁ、中心部で換算しますと、約3度といったところですね。

求められる耐荷重を確保する剛性からも、また視覚的にも、この程度が適切なところかなと…。

重い〈広辞苑〉を置き。耐荷重確認
重い〈広辞苑〉を置き。耐荷重確認

広辞苑を置いてみましたが、この程度の荷重ではまったく問題無さそうです。

テーブルトップと支柱の納まり部分に加え、補助的なステーが効いているようです。

この支柱へのテーブルトップの納まり部分ですが、
前回はテーブルトップ厚み分をそのままカッターで欠き取っていましたが、
あれは良くありません。
必要な部分のみを欠き取るという納まりで無ければ、安易に過ぎ、キャリアが泣きます (v_v)

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ノーベル文学賞・クラスナホルカイ / タル・ベーラ監督(2/2)

映画『サタンタンゴ』

映画 サタンタンゴ

クラスナホルカイ氏に授与されることとなった、2025年ノーベル文学賞。
スウェーデン アカデミーによる授賞理由は「終末的な恐怖のただ中にあって、芸術の力を再確認させる、説得力と先見性のある作品群」との評価でした。

このクラスナホルカイ氏の『サタンタンゴ』は処女作にして代表作とされ、ハンガリー現代史の壮大な叙事詩的な作品です。
日本国内でもかねてから翻訳出版企画が進んでおり、2026年夏頃の刊行予定とのこと。

タル・ベーラ監督

小説・『サタンタンゴ』は今から40年前の1985年に発表された作品。

タル・ベーラ監督はこの『サタンタンゴ』の映画化を構想し、クラスナホルカイ氏との共同作業に入っていくのですが、その長大さからの資金面、さらにはハンガリー政権にとりあまりにもセンシティヴな内容であることなどから、『サタンタンゴ』の映画化はいったん断念し、先に『ダムネーション/天罰』(脚本:クラスナホルカイ)の共同制作が優先されたとのことです。

その後、4年の歳月を掛け完成させ、構想からすれば7年後になる 1994年に公開されました。

この時期と言うのは、ベルリンの壁が崩壊し、ペレストロイカを経、ソ連解体へと繫がる歴史的な結節点で、このドラスチックな体制転換はハンガリーにも及び、混沌とする中にも自由な空気が横溢し、それまでのあらゆる文化的創造への監視も弱くなり、やっと『サタンタンゴ』の本格的制作へと入ることが可能になったものと理解すべき、7年だったのではと思います。

その後、タル・ベーラが制作する長編映画の全てにクラスナホルカイ・ラースロー氏は共同脚本家として参加。
まさにパートナー的紐帯で強く結ばれた二人と言って良いでしょう。

日本国内での上映は、作品の4Kデジタルレストア版が公開された、今から6年前の2019年になります。

残念ながら当県内での上映はありませんでしたし、その7時間余という長尺さから劇場での鑑賞を諦めていたのでしたが、一昨年の暮れの頃だったか、Amazon Prime Video にリストされることになり、この時に視聴の機会を得たということになります。
深夜、1.5hほどで数日に分け、スコッチ片手に暦が替わる時間帯まで 27″iMacで楽しんだものです。
(劇場での上映では12の章を3つに分け、2度の休憩を挟み、一気上映されたようです。)

さて、最初はその映画手法に馴染めず、集中できずにいたものが、2時間を越えたあたりからどっぷりと魅入られ、目は輝き、嵌まってしまったのでした。

映画手法として特徴的なのが7時間18分という超長尺ながら、わずか150カットという圧倒的な少なさに示されるように、とにかく1つのカット割りが長い。3分や5分は当たり前、

(以下、一部ネタバレも含みますが、この映画のあらまし、私が受けた感想を記します。)

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ノーベル文学賞・クラスナホルカイ・ラースロー (追記あり)

2025年のノーベル賞ウィーク、生理学・医学賞に輝いた坂口志文さん、そして化学賞に北川進さんと、日本の研究者が相次いで受賞との報に日本も沸きました。
いずれも若き研究者の時代から、40〜50代の頃に受賞に繫がる発見で世界に名を轟かせていた研究者とのことですから、その後20年ほど経過してのこのノーベル賞受賞との報には、さぞや感慨深いものがあったに違いありません。
いずれも人類の生存に深く関わってくるような研究成果のようですので、ノーベル選考委員会の目の付け所に脱帽です。
坂口志文さん、北川進さん、おめでとうございます。

クラスナホルカイ氏の著書(スェーデンアカデミー、 webサイトから)
クラスナホルカイ氏の著書(スウェーデンアカデミー、 webサイトから)

さて今日は、ハンガリーのクラスナホルカイ・ラースローさん(László Krasznahorkai 71歳)に授与されることになったノーベル文学賞について書きます。

受賞に輝いたクラスナホルカイさんの小説、実は私は読んだことの無い作家でして(そもそも邦訳されている本は、数度、京都に滞在した時の印象を基にした小説の1つだけで、しかもその本も絶版状態)、したがって何事かを書く資格など有しないということになりますが…、ただ観たことはあるのです。
どう言うことかと言えば、クラスナホルカイ氏の原作、あるいは脚本による13年前の映画(『ニーチェの馬』)以来、大変興味深く観てきたのでした。

2025ノーベル文学賞 / クラスナホルカイ氏と タル・ベーラ監督

Krasznahorkai & Tarr
Krasznahorkai László (左)、 Tarr Béla(右)

映画好きな世界ではあまりにも良く知られた以下の2作品がそれです。

  • サタンタンゴ』(原作・脚本)(Sátántangó) 1994年・ベルリン国際映画祭フォーラム部門カリガリ賞
  • ニーチェの馬』 (脚本)(A torinói ló The Turin Horse)2011年・ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)と国際批評家連盟賞をダブル受賞
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〈iPhoneのマイナ保険証〉 利用者 第1号になってしまった件

保険証リーダー

本日(2025年10月14日)、地域の総合病院にて、3月に一度の呼吸器外来診察に出向いた際の、保険証提示で〈iPhoneのマイナ保険証〉デビューを果たした顛末を少しばかり・・・。

保険診療の場合、原則として毎月1回は健康保険証の提示が義務付けられていますので、受付時にさっそく〈iPhoneのマイナ保険証〉を提示。
結果、とてもスムースで、時間にしてわずか10秒ほどで簡単に終えることができたのでした \(^^)/

あらためてそのプロセスを。


まず最初に厚労省、公式サイトのチャートを下図に示しましょう(クリック拡大)。

スマホによるマイナ保険証利用手順(厚労省提供)

iPhoneによるマイナ保険証の提示プロセスの実際

  1. 午前8時過ぎ、受付カウンターの行列に並びます(総合病院だけあり、受付カウンターは5〜6個所ほどあり、そこに10名程の行列)。
  2. 顔認証付きカードリーダー(Top画像の黒い奴)の画面にてスマートフォンを選択
  3. スマホ種類の選択(iPhone、Android のいずれか)
  4. iPhoneのApple Wallet からマイナカードを呼び出す(サイドボタンのWクリックだけ!)
  5. iPhone上部を 顔認証付きカードリーダーの隣りにある NFCリーダー(Top画像の白い奴)にかざす。
Apple Wallet マイナカード

たった これだけです。


マイナカードでの認証の場合は、バッグの中にある財布などに収められたマイナカードを取りだし…、これを顔認証付きカードリーダーの所定の個所に置き、顔認証、あるいは暗証番号の手入力…、などといった手順が求められますが、〈iPhoneのマイナ保険証〉の場合はそれらのアクションのいくつかは省かれ、本人確認においても、既に iPhoneはFace ID認証(生体認証)でログインされた状態(本人認証済み)ですので、リーダーでの顔認証や暗証番号の手入力は無用となります。

ところで、この受付に案内人がおられたので、〈iPhoneのマイナ保険証〉の利用頻度を伺って見ました。

〈iPhoneのマイナ保険証〉の認証システムは9月19日からスタートしていましたが、この病院ではそれから遅れること、10日ほど経過した今月初旬にNFCリーダーが整備されたとのことでした。

視れば、それぞれの受付カウンターにある〈顔認証付きカードリーダー〉の横に、小さなNFCリーダーがおかれているのでした。


どれほどの人が〈iPhoneのマイナ保険証〉を選ばれているのか聞いたところ、何と、これまで誰も利用する人はおらず、私が最初とのことで、これには驚くやら、苦笑いするやらで…、私の操作を興味深そうに覗き見するスタッフもいたりと、何やら珍妙な具合でした。

まぁ、スタート時は何につけこんなものかもしれませんが、今後は〈iPhoneのマイナ保険証〉での提示スタイルが基本になっていくよう期待するばかりです。

普及が進まないのは、アナウンスが圧倒的に足りていないからでしょうね。
3月の〈納税の確定申告〉時に視られるCMのように、もっと、TVなどで高齢の著名人などの実践事例を紹介するなど、普及に力を入れねばダメですね。

私のように情報を取りに行き、必要にして合理性、利便性、安全性があれば、積極的に対応していこうとする人は必ずしも多くは無いのは確かのようです。

因みに、私は今回の通院でも〈マイナカード〉は携行していません。
この〈iPhoneのマイナ保険証〉リリース時、厚労省からのアナウンスでは〈iPhoneのマイナ保険証〉を利用する場合でも、〈マイナカード〉は持ってきてください、などと言っていますが、何のための〈iPhoneのマイナ保険証〉なのか、意味不明ですので、これには従いません。
〈マイナ保険証〉が登録された〈マイナカード〉は〈iPhoneのマイナ保険証〉さえあれば、キホン無用なのです。

(ただ、もちろん、対応する機器が整備された医療機関、薬局であることが前提になりますが…)
以下は現時点で対応する全国の医療機関、薬局のリストになります。

スマートフォンのマイナ保険証対応医療機関・薬局検索ページ

医療現場から感じ取れる熱は…、高く無いのでした。

あらためて申せば、日本政府のデジタル社会への推進と、それを担保する能力、安全対策などへの信頼は決して高くは無いものの、デジタル庁発足以降の長足の進化と、Apple社開発陣をも巻き込み、より高い安全性を獲得してのマイナカードのiPhone搭載開発でしたが、ここに至れは評価は高いものがあり、やっと毛嫌いしていたマイナンバーカードの取得から、マイナ保険証の登録と実施へと一気に駆け上がってきたところですが…、


医療現場から感じられるデジタル移行への熱は、風邪を引きそうな位に冷めたものがあるのでした。やれやれ・・・

ま、気を取り直し、残る、〈iPhoneのマイナ免許証〉のリリースを待ちたいものです。

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          ・
          ・

道交法違反の疑いで警察官に停められ、その際に提示する〈iPhoneのマイナ免許証〉は、これまた 第1号だったりして、取り扱いに慣れない警察官をドギマギさせちゃうのでしょうか。

サイドテーブル

ブラックウォールナットのサイドテーブル

現在の工房 悠のラインナップには無いもので、ぜひ入れておきたいと考えるその1つがサイドテーブル。

ソファやベッドの脇に置かれ、本や、コーヒーカップなどを置くこぶりの卓。
その目的からして〈片持ち〉の構造によるものになります。

今回創作したのは、家具デザインに興味のある人であれば、もしかしたら想い浮かべる人もいるかもしれない、〈カッシーナ E-1027〉と相似形のもの。

あえて隠しませんが、余りにも有名なアイリーン・グレイ(Eileen Gray)のサイドテーブルへの憧憬からの二次創作。

E-1027
E-1027

建築からプロダクトデザインまで幅広く手掛けていたアイリーンですが、フランス、コート・ダ・ジュールの海を望むカップ=マルタンに建てた、恋人と暮らすための別荘「ヴィラE-1027」のために設計されたのがこのサイドテーブル(E-1027 サイドテーブル)です。

現在はカッシーナの定番商品としてラインナップされ、日本国内でも好んで使われているところをTVなどからも伺うことができます。
サイドテーブルと言えば、これっ、といった感じさえあるポピュラーなものと言って良いでしょう。

今回、〈片持ち構造〉が特徴的な、このアイリーンの〈E-1027 サイドテーブル〉のデザインをリスペクトしつつ、これを木製で作ることにしたのですが、いくつかの点でオリジナリティを追求しています。

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iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(6)

iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱〉シリーズの最後として、マイナカードのiPhone搭載による利便性の向上、その現状と課題を整理していきたいと思います。

おおよそ以下のような内容。

  1. 〈iPhoneのマイナンバーカード〉はデジタル社会への入り口
  2. 災害時における避難所での本人確認と各種サービスに必須のマイナカードと、スマホ対応
  3. マイナ免許証、遅延の謎と導入の見通し
  4. マイナンバーカード 2.0 を控え
  5. セキュリティから視た〈iPhoneのマイナンバーカード〉

〈iPhoneのマイナンバーカード〉で できること

本年 6月24日にリリースされた〈iPhoneのマイナンバーカード〉ですが、あらためてその活用法などについて整理してみましょう。
(デジタル庁:マイナンバーカードを あなたのiPhoneの中に

コンビニでの各種証明書取得

住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書は、これまでは〈マイナンバーカード〉を取りだし、マルチコピー機にかざし、暗証番号を入力し・・・、といったプロセスでしたが、
iPhoneのマイナンバーカード〉であれば、iPhoneのサイドボタンをWクリックし、Apple Walletの〈マイナンバーカード〉をマルチコピー機のリーダーにかざすだけで完了。
暗証番号をメモしておく必要もありません。
(J-LIS 地方公共団体情報システム機構 コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付、コンビニ交付

現在、利用可能なコンビニは、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ。

安全でスピーディーな本人確認

銀行、証券の口座開設、携帯電話の契約など、法的な本人確認はこれまでは運転免許証、健康保険証によりましたが、これからは〈iPhoneのマイナンバーカード〉を提示し(この提示プロセスは必然的にFace ID / Touch IDでログインした状態=本人確認した状態を指します)、店舗側の〈対面確認アプリ〉で認証を取る方法になります。
ここでもFace ID / Touch IDを介しますので、暗証番号等の入力は無用。

また、これまでは運転免許証、健康保険証を事業者側に渡し、コピーを取られてしまい、それぞれの券面情報をまるごと差し出す方式でしたが、
〈マイナンバーカード〉、〈iPhoneのマイナンバーカード〉では、読み取り機を用い(一部ではスマホアプリでもOK!)、必要とされる情報のみが渡される方式になります。

マイナ保険証として活用

医療機関、薬局などで、マイナカードを持ち歩くこと無く、〈iPhoneのマイナンバーカード〉をリーダーにかざすだけで、〈資格確認〉が取れ、保険診療が受けられます(始まって間もないところから、医療機関、薬局などでのリーダーの整備は徐々にではあります…、)。
(厚労省:スマートフォンのマイナ保険証利用について

〈マイナ保険証〉がリリースされたこともあり、普段から〈マイナンバーカード〉を財布の中に入れて持ち歩きましょう、などとするメッセージが関係官庁などからメッセージされるようになっているのですが、〈マイナンバーカード〉の普及を必死こいてやってきたことからの、(使い勝手)、有用性のアピールなんだろうと思いますが、紛失盗難を怖れる私の理解からすればミスリードにしか聞こえません。

それを言うのであれば、〈マイナンバーカード〉は自宅で管理し、〈マイナンバーカード〉を搭載した〈iPhoneのマイナカード〉を持ち歩きましょう!、というメッセージこそ発せられるべきと思いますよ。

社会的にそうしたスタイルが一般的になってくれば、自ずから医療機関、薬局も、わずか数千円の投資で済む(しかも半額は政府補助)、NFCリーダーですので、一気に普及してくるものです。

小さなクリニックでの受付で、

患者:あんたとこ、まだ〈iPhoneのマイナカード〉対応しとらんの?

えぬえふしー、とか言う奴、

私の1日あたりの診察料金からお釣りがくるくらいの費用しか掛からん言うてるよ。

早うせんと、面倒なので転院せないかんようになるかも、よ。

なぁんて患者(例えば…、私)がクリニック単位で数名でも出てくれば変わるのでしょうかね。

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iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(5)

(中休み)マイナカード、マイナ保険証、マイナ免許証の憂鬱

マイナンバーカードに健康保険証の機能を紐付け、健康保険証を廃止するという〈改正マイナンバー法〉は2023年、自公、維新、国民の賛成多数(立憲、共産、れいわが採決自体に反対)で成立したのは記憶に新しいところですが、強行採決で無かったとは言え、野党の多くの反対を押し切ってのものであったことは忘れてはいけない事柄です。

マイナンバーカードがなぜこのような産みの苦しみを背負ってしまったのかは、他でも無く、マイナ保険証の医療情報の誤登録、誤発行が数千件にも及ぶ事態に陥り、大混乱を引き起こしたことなどから、制度構築への信頼が地に堕ちたことによります。

そうした構造的な欠陥を抱えたままに、本来、任意であるべきはずのマイナンバーカードの取得を、国民皆保険制度の健康保険証と一体化させることで、半ば強制的に促進させるという狡猾な手法をとり、加え、2兆円を超えると言われるマイナポイントを人参としてぶら下げに至っては、なんとも下心ミエミエの不純で下品な方策だったと批判されたものでした。

私もこれにはさすがに嫌気が差し、本年春まではそっぽを向いてきたのでした。

本シリーズ、最初の記事でも書きましたが、マイナンバーカード、および、マイナ保険証、さらにはやがてこれに一体化されるだろう、マイナ免許証を常時携行することなく、これに代わりiPhoneの Apple Wallet に格納させることで、セキュリティが飛躍的に強化されるとともに、利便性も高まるという、新次元の制度への信頼を担保として、そっぽの姿勢から転換し、取得へと踏み出したところです。

私のこうした考え方というのは、あまり一般的なものは無いのかも知れません。
逆に、スマホに格納されることへの使い勝手の悪さであったり、情報漏洩へのリスクを考える人は少なく無いようで、ここにネガティヴなイメージを持たれるようです。

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iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(4)

マイナ免許証

さて、最後になってしまいましたが、マイナ免許証についてです。

マイナ免許証 ポスター(警察庁)
マイナ免許証 ポスター(警察庁)

多くの老若男女の方々が持つ運転免許証ですが、2025年3月24日から、マイナンバーカードを運転免許証として利用できるようになったことはご存じの通りかと思います。

このマイナ免許証については、6月末時点(運用開始から3ヶ月)で約86万人以上が取得しているとのことです(MotorFan「マイナ免許証の運用開始から約半年で保有者数は約86万人に! 普及の背景と今後の課題」)。
この数値の評価としては、多いとも、まだそれだけなのかなとも取れ…、難しいところですね。

マイナ保険証の方は、紙ベース保険証の発行停止(資格確認書という回避措置があるとはいえ)の施策ゆえ、かなり強制的に移行しつつある(登録率:81.2%)のと較べ、マイナ免許証の方は任意であるところから、「意識高い系」に留まるのも必然とも言えます。

私個人としては、iPhoneのマイナ保険証のようにスマホに搭載できるのであればいそいそといち早く登録手続きするでしょうが、物理カードとしてのマイナンバーカードに紐付けされただけでは、あえて登録しようとは考えないでしょうね。
紛失のリスクを抱えたまま、日々携行する蛮勇など、私には考えられません。

しかしまぁ、、ここではそんなネガティヴシンキングは一端 横におき、冷静に考えていくことにしましょう。

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Randy Crawford

Randy Crawford(FaceBookより)
Randy Crawford(FaceBookより)

NHK FM〈ウィークエンド サンシャイン〉で、久々に 〈Randy Crawford〉を聴いた。

2025.09.20〈ウィークエンドサンシャイン〉プレイリスト

曲はデビューアルバムから〈Everything Must Change
アルバムジャケットを視れば、時代を感じさせるのは当然としても、とても若々しく、私のランディのイメージとはかなり位相が違って面食らう。

張り付けるのは、デビューアルバムの音源に、その頃のいくつかのアルバムジャケットで構成された映像。
彼女はモントルーJazzフェスはじめ、多くの音楽フェスに参加し、また自身のコンサートも時代、時代で多く開催されてきたようで、それらのいくつかはYouTubeに納まっているものの、この〈Everything Must Change 〉だけはなぜかプログラムに入っておらず、LIVE版は見つけ出せなかった。

私が〈Randy Crawford〉に強い関心を抱いたのは、1990年代初頭だったか、NHKのモントルーJazzフェス会場からのLIVE録画で、初めて聴くその歌に震えるほどに感動を覚えたものだった。

今では記憶も曖昧ながら、トリオほどの小さな編成のJazzバンドをバックに、椅子に腰掛け、表情豊かに歌い上げていたのだが、その黒人特有の強く響く歌声の一方、ピアニシモでもまったく揺らぐこと無く、美しく、細かなビブラートをしっかりと響かせる声質と歌心を持つ、とても優れた歌い手である事は瞬時に伝わってきたものだった。

後日、調べてみれば、全英4位の人気曲で、 “Almaz” という曲で、彼女としては数少ない自作のもので、また日本のドラマにも使われたとのことで、TVには無縁の生活を送る私は無知を恥じたものだった。

さっそくアルバムをまず2枚求め、当時はApple社の iTunesが始まった頃だったと思うが、いそいそとクリッピングしたのだが、カテゴリーがどこに帰属させれば良いのか、大いに迷ったものだ。

Jazzの分野で良いのか。リズム&ブルースの方が適切なのか?
どちらでも構わず、好きにすれば良いのです。
プロフィールでは、Jazz, R&B, disco, smooth jazz、などと

以下は、その “Almaz”で、1991年の録音。(Randy、39歳)
バックバンドの編成:Piano、Keyboards、Soprano Saxophone 、Guitar、Base Guitar、Drums、

私が持つアルバムでは、ピアノ1台をバックに歌い上げていたが、このバラードはむしろそっちの方が向いているように思った。

残念ながら既に60代半ばでリタイアしていて、晩年はかなりのプラスサイズの体型してたので、体調は気になるところだが、YouTubeに納まってる晩年の歌声は、確かに年相応に老いた印象を与えるも、繊細で独特の唄世界に聴き惚れてしまう。

以下はモントルーJazz フェス2013年のコンテンツ。(Randy 61歳)
カヴァー曲の多いプログラムだが、音も映像も高解像度で楽しめる。
残念ながら〈Everything Must Change 〉は無いが、〈Almaz〉は最後から2番目に納められている。
どんなコンサートでも、自作曲ということもあるのだろう、アンコールに〈Almaz〉は外さなかったようだ。
白ワインを手に、語るように唄われるこの〈Almaz〉は、渋く、甘く、切なく…、渇いた心に鎮に染み入ってくる。

iPhoneのマイナンバーカードの朗報と、マイナ免許証の憂鬱(3)

厚労省バナー
厚労省バナー

スマホのマイナ保険証 スタートと、厚労省の新たな指針

件名の課題については、今日でオシマイにしたいと考えていましたが、
マイナ免許証〉の前に、やはり昨日から本格スタートした〈スマホのマイナ保険証〉の現場の状況に関し、メディア報道から視ていきたいと思います。

ただ、今朝の朝日新聞には記事は無く、各紙、デジタル版でも「マイナ保険証、始まってるよ〜」とのコタツ記事がほとんどで、現場取材記事は少なく、大いに脱力させられているという現状。

マイナンバーカード、およびマイナ保険証にとっては、このスマホだけで完結するという、次元を画するスタートだと思われるものの、どうもメディアの編集指針からは漏れこぼれてしまっているようです。
…ってか、メディアの意識の低さの表れと視るべきなのかも知れません。

そんな中にあって、注目したい記事が2つ。

✅ 東京新聞:「厚労省は機器がない医療機関に、スマホ画面を職員が目視して資格確認する「アナログ」な運用を認めた

✅ 日経:スマホ保険証、全国4.7万医療機関・薬局で運用開始

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